映画『マリアンヌ』悲しすぎるストーリー涙腺崩壊の映画。

マックス・ヴェイタン:ブラッド・ピットが演じるイギリスの諜報員。

マリアンヌ・ボーゼイジュア:マリオン・コティヤールが演じる フランスの諜報員でマックスの妻。

 

第二次世界大戦中の1942年、
フランスがドイツに占領されていた時代。

 

イギリス諜報員のマックスは極秘任務のため
 フランス領モロッコの砂漠にパラシュートで
投下されます。

 

彼はイギリスの諜報機関「Vセクション」の
 エージェントで「ある任務」を果たすために
 モロッコへやってきました。

 

すぐに地元のエージェントが迎えに来ますが、
 運転手はマックスに結婚指輪を渡し
「紫のドレスを着た女性に会え」と言いいます。

 

その女性とは、
 今回のミッションを遂行するために
 マックスの「妻役」を演じる女性とのこと。

 

彼女と一緒におこなうミッションとは
 モロッコに駐留するナチス外交官を暗殺する
 というものでした。

 

マックスは用意された
高級ブランドスーツに身を包み、
 彼女と合流するため、カサブランカの
 パーティー会場へいきます。

 

カサブランカはモロッコ最大の都市で、
ドイツ軍による占領が進んでいて
街の至る所にハーケンクロイツの垂れ幕が
掲げられている状態でした。


パーティー会場に到着したマックスは
 そこで紫のドレスを着た
 マリアンヌ・ボーゼイジュアと見つけます。

 

マリアンヌはとても美しい女性で、
パーティー会場の男性たちは
彼女の美しさに目を奪われていました。

 

マリアンヌはすでに
 マックスがくるのを承知だったようで、
キスをして「寂しかった妻」を演じます。

 

彼女はマックスのことを
「パリからきた夫」としてドイツ将校の
妻たちに紹介しました。

 

パーティー会場から出た2人は、
 互いに夫婦役を完璧に演じていたことを
褒め合います。

 

ひとつだけマックスのフランス語は
「パリなまり」でないことを注意します。
 (一応パリからきた夫という設定だったので…)

 

マリアンヌは今回の任務で
 ターゲットのナチス外交官にあうには

まずナチス将校の婦人たちに
信用されなければならないといいます。

 

 

怪しまれないよう
「本物の夫婦」を演じるため
 カサブランカ流の夫婦のしきたりを
 マックスに教えていきます。

 


しばらく夫婦として過ごした2人は、
 作戦の準備にとりかかるため、
まずはホバーというナチス将校のもとにいきます。

 

外交官が出席するパーティーへの
「参加許可」をもらうためでした。

 

ホバーは頭脳明晰で抜け目のない男ですが
彼から信用を得てしまえばコッチのもの。

ナチスたちに怪しまれずにすみます。

 

マリアンヌはホバーに
 マックスのことを「リン鉱石の採掘」を
 している夫だと紹介します。

 

マックスは良い印象をあたえようと、
ホバーの大好きなトランプのカードテクニックを披露します。

 

すっかり気を良くしたホバーは、
マックスのパーティーへの出席を許可しますが

 

最後に思いついたかのように
「リン鉱石の仕事をしているなら、
リンの化学式を描いてみろ」と試します。
 (おそらくはすでに信用はしているものの、
 用心深い彼なりの予防策なのだろう…)

 

これをみてマリアンヌは動揺するのですが、
マックスは完璧に化学式をかいて
 ホバーから信用を得ることに成功します。

 

外交官が出席するパーティー開催日まで
残された時間はあとわずか。


2人は作戦当日にそなえ、
 砂漠で射撃の訓練を行いますが、
マリアンヌは驚くべき射撃の腕前でした。

 

ある日、マリアンヌは
「戦争がおわったどうするのか?」と
 マックスに尋ねると、彼は
「カナダの牧場で平和に暮らしたい」と
答えます。

 

ですが
今回の任務で2人が助かる可能性は40パーセントほど。

ほぼ助かる可能性はまずありません。

 

マリアンヌは最後の望みとして、
 女として抱いてほしいとマックスに頼みます。

 

夫婦を演じるうちに2人は
本当に愛し合っていたのでした。

 

こうして砂嵐がふきあれる砂漠のなか、
ついに2人は車中で結ばれます。

 

作戦当日、
 多くのナチスの将校たちが集まるなか、
2人はパーティーに出席して「その時」を待ちます。

 

合図は外に仕掛けられた爆弾が
爆発したタイミングで。

 

緊張感がみなぎるなか
 ついにターゲットのナチス外交官が姿を表します。

 

すると外で大爆発が起こり会場はパニック。

 

マックスとマリアンヌは
隠していたライフルを取り出して、
 外交官を射殺して
会場のナチス将校たちを次々と撃ちます。

 

2人の裏切りにホバーは憎々しげな
表情をうかべますが、マックスはそんな彼の額に
無情にも銃弾を撃ち込みます。

 

会場にはマリアンヌが
日頃から親しくしていた婦人たちもいて、
 彼女たちもマリアンヌの裏切りに
戸惑いを隠せません。


任務は大成功で、激しい銃撃戦のなか
2人は現場から脱出することに成功します。

逃走中マックスは
 マリアンヌにプロポーズし、
ロンドンで一緒に暮らそうと招待します。

 


ー3週間後ー

イギリス政府はマリアンヌの亡命を許可し
2人は結婚することになりました。

 

結婚後マックスは「Vセクション」から
足を洗い、上官のフランクから通常任務を
言い渡されます。

 

しかし戦争をさらに激しさを増し、
ついにロンドンもドイツから空襲をうけます。

 

マリアンヌは爆撃をうけた病院で
女の子を赤ちゃんを生みました。

 

名前はアンと名付けました。

1年後、
まだ戦争は続いていますが、
マックスとマリアンヌは、娘アンとともに
家族としての生活に慣れてきました。

 

3人はピクニックにいったり、
 仲睦まじく生活しています。

 

マリアンヌはパーティーが好きなようで
知り合いの活動家たちのパーティーへ
 しょちゅう招かれます。

 

その間、娘アンは近所のやさしい婦人に
預けていました。

 

そんな
幸せいっぱいの生活をおくるマックスに
 ある日上司のフランクから緊急の呼び出しがかかります。

 

マックスが向かうと
 そこには「Vセクション」の幹部がいて
 マリアンヌにはドイツ軍のスパイ疑惑があることを通告します。

 

どうやらスパイらしき人間が
 ロンドンからドイツ軍へ暗号化された情報を
送っているとのことですが、

それがすべてマックスのデスクを通した
内容ばかりだったとのことでした。

 

さらに「Vセクション」の調べによると
 マリアンヌ・ボーゼイジュアという
女性工作員は1941年に亡くなっている
可能性があるとのこと。

 

すくなくともマリアンヌが
他人になりすましていることは間違いないという。

 

そんなことあるわけ無いとマックスは怒ります。

 

ではマリアンヌがドイツ軍のスパイならば
 どうしてナチス外交官を殺害したのか?

 

ここで衝撃の真実を明かされます。

 

実はモロッコにいたホバーや外交官たちは
 ナチスのなかでもヒトラーの暗殺を企てる
「反体制派」だったのです。

 

そのため、
 彼らはヒトラーの命令によって
粛清されたのだといいます。

 

マックスたち「Vセクション」も
 まんまと騙されたのでした。

 

これをきいて
 マックスはがっくりと肩を落とします…。

 

「Vセクション」は”ある実験”をして、
マリアンヌがスパイだと判明した場合は
夫であるマックスが始末せよと命じます。

 

その実験とは…
ニセの機密情報をマックスの自宅に残して
 それがドイツ軍に送信されるかどうか?
というもの。

 

そのニセ情報がドイツに送信されれば
 マリアンヌはクロ。
 送信されなければシロということです。

 

でも信じられないマックスは
独自に調査をはじめることにしました。


マックスは自宅でパーティーを開き、
マリアンヌの友人たちを招待して、
 怪しい人物を見つけようとしますが、
それらしき人物は見当たりません。

 

 

1人だけ宝石商の男が、
マリアンヌにコソコソと話をしていましたが、
なんだかんだと煙に巻かれてしまいます。

 

 

そのとき突然、
 空襲が発生しドイツの飛行機が墜落して
 パーティー中だったマックスたちの
自宅の脇に墜落します。

 

幸い犠牲者はでませんでしたが
 マリアンヌはマックスの様子から何かを感じ、
 次の日に3人でピクニックをします。
 (そしてマリアンヌが感じた通り、
これが最後のピクニックになります…)


マックスはマリアンヌの古い仲間
ガイ・サングスターに会いにゆきますが
彼は作戦で重症を負い車椅子で両目は失明。

 

 

マリアンヌの写真をみせても
本人だと確認することができません。

 

ガイはデラマーレという男なら
 マリアンヌのことをよく知っていると教えてくれました。

 

マックスはガイに教えてもらった
 マリアンヌのことを知るデラマーレに会うため
 ドイツ軍が占領するエリアの刑務所までいきます。

 

 

ところがデラマーレは酒で酔いつぶれて
写真をみせても確認ができないほどの状態。

 

しかし、
 彼からマリアンヌは水彩画が得意だったこと、
そしてピアノが得意で
 国歌を演奏してドイツ軍に喜ばれたことを話しました。

 

 

自宅に戻ったマックスは
 マリアンヌを近くのバーへ強引に連れて
自分のためにピアノを演奏するように頼みます。

 

 

すると、
これがどんな意味を持つのかを理解していた
 マリアンヌはピアノの蓋をそっと閉じます。

 

 

マリアンヌは自分が、
ドイツ軍のスパイであることを
涙を流しながら告白します。

 

でも彼女は好きで
 ドイツ軍に協力していたのではなく
仕方なくやっていたのでした。

 

実はアンの命が
 エージェントに狙われていたのでした。

 

宝石商の男も、
 娘のアンを預かっていた婦人も
 すべてドイツ軍のエージェントだったのです。

 

彼らは巧妙にマックスたちの家族に近づき、
マックスとアンの命を狙うといいながら、
 卑怯にもマリアンヌの弱みを握り、
スパイとして利用していたのでした。

 

 

マックスはマリアンヌに自宅にあった
 ニセ情報は送ったのか聞きますが、
 彼女は「送った」と言います…。

 

もう「Vセクション」が
 マリアンヌのもとへ来るのは時間の問題。

 

マックスはマリアンヌを許して、
 彼女を助けるため国外逃亡することを決意します。

 

急いで荷物をまとめてアンを抱えて
3人で車に乗りこみ、
 空軍の飛行場まで車を走らせます。

 

マックスは
戦闘機の盗んで脱出を図ろうとしますが
土砂降りのためエンジンがかかりません。

 

やっとエンジンがかかったとき
上司のフランクが兵士を引き連れてやってきました。

 

ドイツ軍のスパイを助け、
 国外逃亡をはかればオマエも死刑だといいますが、

マックスは家族を助けるため
 マリアンヌは仕方なくやっていたのだと弁明します。

 

フランクはどんな理由があったとしても
 スパイはスパイ、彼女は死刑だといいます。

 

彼女を始末しなければ
 マックスが処刑されることを宣告します。

 

2人のやり取りを聞いていたマリアンヌは
車からでてきて
「マックスもういいの。
アンのことを頼みます。」といい、
ピストルで自分の頭を撃ち抜きます。

 

悲痛な叫びのなか、
マックスのマリアンヌの亡骸の横に
 いつまでも寄り添います…。

 

フランクは部下たちに
「マックスが自分の手でスパイを処刑した。
よって彼は無実だ」といいます。

 


数年後、戦争は終結し、
マックスは大きくなったアンと平和に暮らしていました。

 

マリアンヌは亡くなる前日に
 アンあてに手紙を残していました。

 

その手紙には、
アンとマックスを心から愛していたこと
自分にとって2人はすべてだったことが
 つづられていました。